なぜ、中学受験をするのか、ということを考えてみる。
最初の記事に書いた通り、私も息子も中学受験経験者です。
私が受験した当時は、まだS塾がなかったころです。Y大塚と、N研が全盛期のころでした。今ほどみんなが受験、受験と騒いでいなかったように思います。
こんなに過熱したのはなぜなのか、ということはとりあえず脇に置いといて、なぜ受験をするのだろうか、ということを、親の立場で考えてみます。
我が家の場合は、息子の一言がきっかけでした。
「学校の授業がつまらない。みんな、先生が言ったことをなぜ1回で理解できないのだろうか」
3年生の夏でした。
これを聞いた私は、もっと知りたいと思うことを知る楽しさを知ってほしいと思い、当時栄○ゼミナールで行われていた理科実験教室に連れていきました。
相当楽しかったようで、そのまま夏期講習からお世話になることに。
受験をするメンバーにいつも囲まれていれば、流れとしては当然受験したいと言い出すのはごく自然だったのかもしれません。
でも、3年生の時、知り合いが早稲田中の文化祭で見た折り紙研究会の写真をFacebookにあげていて、それを見せた途端に「これを作ってみたい」と言われ、4年生の時にあちこち文化祭に連れていきましたが、一番食いついたのは開成中の折り紙研究会でした。このころから、上位に食い込むことを目標にし始めたと思います。
親がどんなに受験をさせたくても、子供がそのメリットに気づいていなければ、目標に向かってひたすら努力をさせることはとても大変です。言い出しっぺが本人である我が家でさえ、毎日勉強させることはとにかく大変でした。
我が家にとっての受験のメリットは
- 内申が取れるタイプの子供ではなかったこと(提出物、忘れ物、授業態度など)
- まして、優等生を育てる気が親にさらさらなかったこと
- 男子校に行きたい(別学に行きたい)子供にとって、選択肢が多いこと(特に女子校に行きたい子にとっては、高校受験だとかなり限られます)
- 中高6年間を過ごした仲間は、かけがえのない友人になること
- 高校受験がないことで、部活に打ち込めること
- 近所の中学の評判があまり良くないこと(進学実績なども含めて)
当然、デメリットもあります。
- 金銭面での負担
- 通学の負担(通勤電車よりは少し早い時間ですが、それでも混雑した電車に乗っていかなくてはならないこと)
- 毎日お弁当を作ること(学校によっては、学食がない学校も)
こうやってメリットデメリットを整理して考えると、周りがするからと言ってなんとなく始めても、あまりいいことはありません。家族にとってメリットが大きいと思えないことに多大な時間を割くことは、受験が近づくに従って苦痛以外の何物でもないからです。
また、親が中学受験を自身で経験していない場合は、とにかく未知の世界であるということは強調しておきたいです。
推薦、2次募集、追加募集と救いの手が差し伸べられる高校受験とは違い、一発勝負の中学受験。複数回受験できる学校も増えてきていますが、御三家をはじめとする難関校はほとんど一発勝負です。落ちたら終わりです。どちらかと言えば、大学入試に近いです。それを12歳の子供がやるわけですから、緊張具合も、親の心配具合も比ではありません。当然、全部落ちたら公立に行くわけです。全部落ちるわけがないと思っている方も多いようですが、正直、毎年一定数いらっしゃいます。
また、親子バトルも勃発しやすいのが中学受験。
ぜひ、受験を考えたら、家族で考えてみてほしいと思います。